思春期のこころのトラブル

成長期は身体の成長にともなって性ホルモン分泌も始まり、身体的・精神的にも変化の著しい時期となります。加えて学校や家庭での人間関係、進学による環境変化、受験勉強といった外的なストレス、自分との向き合いなどで悩みが生じやすく、戸惑うことも多くあります。

成長するにつれ自ずと解決していくことも多いですが、程度が重い場合や現在の生活や学業に支障が出ている場合、将来にわたって広く影響が出ることもあります。
変化を見逃さず、必要に応じた適切なケアを行うことが大切です。

10代から20代前半のこころの病気で多くある診断

うつ病、適応障害、不眠障害、摂食障害(過食症、拒食症)、パニック障害、分離不安障害、ゲーム・スマホ(SNS)依存、不安神経症、社交不安障害、強迫性障害 など

行動・症状について

思春期のこころの不調は、大人よりも行動や体調に現れやすいのが特徴のひとつです。自覚のあるものもあれば、周囲の人に言われるまで変化に気付かないものもあります。

以下に当てはまらなくても、周囲の人から見てこれまでとは様子が異なる、おかしい、と感じるとき、受診を視野に入れて向き合う必要があります。

行動

  • イライラして人や物にあたってしまう
  • リストカットなど自傷行為をしてしまう
  • 何もかも面倒くさく感じる、やる気が出ない
  • ゲームやSNSをやめられない
  • 他人の視線が過度に気になる、怖いと感じる
  • 身だしなみに無頓着になった
  • 理由は自分でもはっきりわからないが、つらい、ゆううつに感じる
  • 消えてしまいたい、死にたいと考えたり、言ったりする
  • 外に出たがらずひきこもる
  • 酒や薬を常用する

睡眠

  • 朝起きられない、起きるのが非常につらい
  • 夜眠れない
  • 寝すぎる
  • 睡眠のリズムが崩れている

食欲

  • 他人と比べ自分が太っていると感じる、食べることに罪悪感を覚える
  • 逆に、空腹でもないのに食べ過ぎてしまう
  • 体重が気になる。何kg以下でなければならないと強く考えている
  • 食事の後、吐いている

体調

  • 頭痛や腹痛、下痢といった症状が長く続く
  • 身体が非常にだるい、疲労感が抜けない
  • 元気がない
  • 顔色が悪い、生気がない